鉄道唱歌 第一集 東海道編 - 多 梅稚/キド・ブラザーズ.mp3

鉄道唱歌 第一集 東海道編 - 多 梅稚/キド・ブラザーズ.mp3
[00:00.000] 作词 : 大和田建樹 [0...
[00:00.000] 作词 : 大和田建樹
[00:01.000] 作曲 : 多 梅稚
[00:12.977]汽笛一声(いっせい)新橋を
[00:17.395]はや我汽車は離れたり
[00:21.482]愛宕(あたご)の山に入りのこる
[00:25.684]月を旅路の友として
[00:29.981]右は高輪泉岳寺(たかなわ せんがくじ)
[00:33.945]四十七士の墓どころ
[00:38.177]雪は消えても消えのこる
[00:42.428]名は千載(せんざい)の後までも
[00:46.650]窓より近く品川の
[00:50.713]台場も見えて波白く
[00:54.939]海のあなたにうすがすむ
[00:59.085]山は上総(かずさ)か房州か
[01:11.507]梅に名をえし大森を
[01:15.774]すぐれば早も川崎の
[01:19.923]大師河原(だいしがわら)は程ちかし
[01:24.106]急げや電気の道すぐに
[01:28.230]鶴見神奈川あとにして
[01:32.461]ゆけば横浜ステーシヨン
[01:36.700]湊を見れば百舟(ももふね)の
[01:40.855]煙は空をこがすまで
[01:49.043]横須賀ゆきは乗替と
[01:53.325]呼ばれておるる大船の
[01:57.494]つぎは鎌倉鶴が岡
[02:01.722]源氏の古跡(こせき)や尋ね見ん
[02:05.933]八幡宮の石段に
[02:09.955]立てる一木(ひとき)の大鴨脚樹(おおいちょう)
[02:14.239]別当公曉(くぎょう)のかくれしと
[02:18.485]歴史にあるは此蔭(このかげ)よ
[02:22.672]ここに開きし頼朝が
[02:26.724]幕府のあとは何かたぞ
[02:31.032]松風さむく日は暮れて
[02:35.065]こたへぬ石碑は苔あをし
[02:39.376]北は円覚建長寺
[02:43.381]南は大仏星月夜
[02:47.727]片瀬腰越(こしごえ)江の島も
[02:51.732]ただ半日の道ぞかし
[02:55.923]汽車より逗子(ずし)をながめつつ
[03:00.176]はや横須賀に着きにけり
[03:04.318]見よやドックに集まりし
[03:08.501]わが軍艦の壯大を
[03:20.691]支線をあとに立ちかへり
[03:25.201]わたる相模の馬入川(ばにゅうがわ)
[03:29.271]海水浴に名を得たる
[03:33.469]大磯みえて波すずし
[03:37.666]国府津(こうづ)おるれば電車あり
[03:41.678]酒匂(さかわ)小田原とほからず
[03:45.970]箱根八里の山道も
[03:50.289]あれ見よ雲の間より
[03:54.420]いでてはくぐるトンネルの
[03:58.543]前後は山北(やまきた)小山(おやま)駅
[04:02.733]今もわすれぬ鉄橋の
[04:06.920]下ゆく水のおもしろさ
[04:19.323]はるかにみえし富士の嶺(ね)は
[04:23.539]はや我そばに来りたり
[04:27.661]雪の冠(かんむり)雲の帶
[04:31.934]いつもけだかき姿にて
[04:36.109]ここぞ御殿場夏ならば
[04:40.258]われも登山をこころみん
[04:44.372]高さは一万数千尺
[04:48.671]十三州もただ一目(ひとめ)
[04:56.644]三島は近年ひらけたる
[05:00.960]豆相(ずそう)線路のわかれみち
[05:05.367]駅には此地(このち)の名をえたる
[05:09.628]官幣大社(かんぺいたいしゃ)の宮居(みやい)あり
[05:13.777]沼津の海に聞えたる
[05:17.871]里は牛伏我入道(うしぶせがにゅうどう)
[05:22.055]春は花さく桃のころ
[05:26.161]夏はすずしき海のそば
[05:30.406]鳥の羽音におどろきし
[05:34.598]平家の話は昔にて
[05:38.754]今は汽車ゆく富士川を
[05:42.840]下るは身延(みのぶ)の帰り舟
[05:47.113]世に名も高き興津鯛(おきつだい)
[05:51.193]鐘の音ひびく清見寺(せいけんじ)
[05:55.391]清水につづく江尻より
[05:59.614]ゆけば程なき久能山(くのうざん)
[06:03.768]三保の松原田子の浦(たごのうら)
[06:07.912]さかさにうつる富士の嶺(ね)を
[06:12.088]波にながむる舟人は
[06:16.271]夏も冬とや思ふらん
[06:28.579]駿州(すんしゅう)一の大都会
[06:32.961]靜岡いでて阿部川を
[06:37.180]わたればここぞ宇津の谷(うつのや)の
[06:41.309]山きりぬきし洞(ほら)の道
[06:45.503]鞘(さや)より拔けておのづから
[06:49.587]草なぎはらひし御剣(みつるぎ)の
[06:53.809]御威(みいつ)は千代(ちよ)に燃ゆる火の
[06:58.028]焼津(やいづ)の原はここなれや
[07:02.211]春さく花の藤枝も
[07:06.208]すぎて島田の大井川
[07:10.485]むかしは人を肩にのせ
[07:14.757]わたりし話も夢のあと
[07:27.192]いつしか又も暗(やみ)となる
[07:31.485]世界は夜かトンネルか
[07:35.531]小夜(さよ)の中山夜泣石(よなきいし)
[07:39.750]問へども知らぬよその空
[07:43.936]掛川袋井中泉(なかいずみ)
[07:48.048]いつしかあとに早なりて
[07:52.168]さかまき来る天竜の
[07:56.460]川瀬の波に雪ぞちる
[08:04.666]この水上(みなかみ)にありと聞く
[08:08.944]諏訪の湖水の冬げしき
[08:13.174]雪と氷の懸橋(かけはし)を
[08:17.222]わたるは神か里人か
[08:21.463]琴ひく風の浜松も
[08:25.720]菜種に蝶の舞坂(まいさか)も
[08:29.816]うしろに走る愉快さを
[08:33.946]うたふか磯の波のこえ
[08:38.102]煙を水に横たへて
[08:42.351]わたる浜名の橋の上
[08:46.461]たもと凉しく吹く風に
[08:50.582]夏ものこらずなりにけり
[08:54.734]右は入海(いりうみ)しづかにて
[08:58.998]空には富士の雪しろし
[09:03.154]左は遠州洋(えんしゅうなだ)ちかく
[09:07.365]山なす波ぞ砕けちる
[09:11.498]豐橋おりて乘る汽車は
[09:15.611]これぞ豐川稲荷道
[09:19.961]東海道にてすぐれたる
[09:23.978]海のながめは蒲郡(がまごおり)
[09:36.294]見よや徳川家康の
[09:40.724]おこりし土地の岡崎を
[09:44.906]矢矧(やはぎ)の橋に殘れるは
[09:49.039]藤吉郎のものがたり
[09:53.220]鳴海しぼりの産地なる
[09:57.325]鳴海に近き大高(おおたか)を
[10:01.606]下りておよそ一里半
[10:05.612]ゆけば昔の桶狹間(おけはざま)
[10:09.965]めぐみ熱田(あつた)の御(み)やしろは
[10:13.990]三種の神器の一つなる
[10:18.173]その草薙(くさなぎ)の神つるぎ
[10:22.538]あおげや同胞四千万
[10:35.010]名だかき金の鯱(しゃちほこ)は
[10:39.226]名古屋の城の光なり
[10:43.177]地震のはなしまだ消えぬ
[10:47.450]岐阜の鵜飼(うかい)も見てゆかん
[10:51.796]父やしなひし養老の
[10:55.732]滝は今なほ大垣を
[11:00.059]三里へだてて流れたり
[11:04.188]孝子(こうし)の名誉ともろともに
[11:12.370]天下の旗は徳川に
[11:16.721]帰せしいくさの関ケ原
[11:20.835]草むす屍(かばね)いまもなほ
[11:25.073]吹くか伊吹(いぶき)の山おろし
[11:29.160]山はうしろに立ち去りて
[11:33.467]前に来るは琵琶の海
[11:37.543]ほとりに沿ひし米原(まいばら)は
[11:41.738]北陸道(ほくろくどう)の分岐線
[11:45.804]彦根に立てる井伊の城
[11:50.097]草津にひさぐ姥が餅(うばがもち)
[11:54.183]かはる名所も名物も
[11:58.285]旅の徒然(とぜん)のうさはらし
[12:02.605]いよいよ近く馴れくるは
[12:06.706]近江の海の波のいろ
[12:10.963]その八景も居ながらに
[12:15.175]見てゆく旅の樂しさよ
[12:19.369]瀬田の長橋横に見て
[12:23.385]ゆけば石山觀世音(かんぜおん)
[12:27.506]紫式部が筆のあと
[12:31.744]のこすはここよ月の夜に
[12:44.436]粟津(あわづ)の松にこととへば
[12:48.533]答へがほなる風の声
[12:52.620]朝日将軍義仲の
[12:56.865]ほろびし深田(ふかだ)は何(いず)かたぞ
[13:00.993]比良(ひら)の高嶺は雪ならで
[13:05.131]花なす雲にかくれたり
[13:09.301]矢走(やばせ)にいそぐ舟の帆も
[13:13.509]みえてにぎはふ波の上
[13:17.677]堅田(かたた)におつる雁(かり)がねの
[13:21.833]たえまに響く三井(みい)の鐘
[13:25.990]夕ぐれさむき唐崎(からさき)の
[13:30.165]松には雨のかかるらん
[13:42.675]むかしながらの山ざくら
[13:46.929]にほふところや志賀の里
[13:51.059]都のあとは知らねども
[13:55.277]逢坂山(おうさかやま)はそのままに
[13:59.439]大石良雄が山科(やましな)の
[14:03.624]その隱家(かくれが)はあともなし
[14:07.783]赤き鳥居の神さびて
[14:11.939]立つは伏見の稲荷山
[14:20.288]東寺(とうじ)の塔を左にて
[14:24.210]とまれば七条(しちじょう)ステーション
[14:28.556]京都々々と呼びたつる
[14:32.576]駅夫のこえも勇ましや
[14:36.984]ここは桓武(かんむ)のみかどより
[14:40.928]千有余年の都の地
[14:45.215]今も雲井の空たかく
[14:49.357]あふぐ清凉紫宸殿(ししんでん)
[14:53.601]東に立てる東山
[14:57.896]西に聳(そび)ゆる嵐山
[15:01.962]かれとこれとの麓(ふもと)ゆく
[15:06.083]水は加茂川桂川(かつらがわ)
[15:10.412]祗園清水(きよみず)智恩院(ちおんいん)
[15:14.371]吉田黒谷(くろだに)真如堂(しんにょどう)
[15:18.729]ながれも清き水上(みなかみ)に
[15:22.820]君がよまもる加茂の宮
[15:27.088]夏は納凉(すずみ)の四条橋
[15:31.225]冬は雪見の銀閣寺
[15:35.555]桜は春の嵯峨御室(おむろ)
[15:39.503]紅葉は秋の高雄山(たかおやま)
[15:52.289]琵琶湖を引きて通したる
[15:56.223]疏水(そすい)の工事は南禅寺
[16:00.426]岩切り拔きて舟をやる
[16:04.567]知識の進歩も見られたり
[16:08.751]神社仏閣山水の
[16:12.791]外(ほか)に京都の物産は
[16:17.103]西陣織の綾錦(あやにしき)
[16:21.205]友禅染の花もみぢ
[16:25.613]扇(おうぎ)おしろい京都紅(べに)
[16:29.510]また加茂川の鷺(さぎ)しらず
[16:33.756]みやげを提(さ)げていざ立たん
[16:37.959]あとに名残は残れども
[16:50.571]山崎おりて淀川を
[16:54.781]わたる向うは男山
[16:58.946]行幸(ぎょうこう)ありし先帝の
[17:03.044]かしこきあとぞ忍ばるる
[17:07.378]淀の川舟さをさして
[17:11.224]くだりし旅はむかしにて
[17:15.458]またたくひまに今はゆく
[17:19.762]煙たえせぬ陸(くが)の道
[17:28.143]おくり迎うる程もなく
[17:32.080]茨木(いばらき)吹田(すいた)うちすぎて
[17:36.392]はや大阪につきにけり
[17:40.432]梅田は我をむかへたり
[17:44.771]三府(さんぷ)の一(いつ)に位(くらい)して
[17:48.838]商業繁華の大阪市
[17:53.055]豐太閤(ほうたいこう)のきづきたる
[17:57.170]城に師団はおかれたり
[18:01.667]ここぞ昔の難波(なにわ)の津
[18:05.602]ここぞ高津(こうづ)の宮のあと
[18:09.712]安治川口(あじかわぐち)に入る舟の
[18:13.961]煙は日夜たえまなし
[18:18.072]鳥も翔(かけ)らぬ大空に
[18:22.193]かすむ五重の塔の影
[18:26.443]仏法最初の寺と聞く
[18:30.607]四天王寺はあれかとよ
[18:34.891]大阪いでて右左
[18:39.136]菜種ならざる畑もなし
[18:43.223]神崎川(かんざきがわ)のながれのみ
[18:47.252]淺黄(あさぎ)にゆくぞ美しき
[19:00.048]神崎よりはのりかへて
[19:04.165]ゆあみにのぼる有馬山(ありまやま)
[19:08.197]池田伊丹(いたみ)と名にききし
[19:12.374]酒の産地もとほるなり
[19:16.660]神戸は五港(ごこう)の一つにて
[19:20.727]あつまる汽船のかずかずは
[19:24.803]海の西より東より
[19:29.168]瀬戸内がよひも交じりたり
[19:37.393]磯にはながめ晴れわたる
[19:41.677]和田のみさきを控へつつ
[19:45.825]山には絶えず布引(ぬのびき)の
[19:50.044]滝見に人ものぼりゆく
[19:54.239]七度(ななたび)うまれて君が代を
[19:58.159]まもるといひし楠公(なんこう)の
[20:02.532]いしぶみ高き湊川(みなとがわ)
[20:06.619]ながれて世々の人ぞ知る
[20:10.783]おもへば夢か時のまに
[20:14.951]五十三次はしりきて
[20:19.107]神戸のやどに身をおくも
[20:23.303]人に翼の汽車の恩
[20:27.559]明けなば更に乘りかへて
[20:31.615]山陽道を進ままし
[20:35.865]天気は明日も望(のぞみ)あり
[20:40.070]柳にかすむ月の影
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